【観劇レポ】シタチノ始動！『あの頃私は、スマートだった。』感想まとめ

"リアルを切り取り、描き出す"脚本と演出と演技力

舞台はあくまで"虚構"の世界のおはなしを楽しむもの。

舞台だから、客観的にとらえることができることもあるけど、この作品ではどうしても言葉が自分に向いてきているように思えました。

自分の思い描いていた夢と、今、直面している現実とのギャップに苦しくなること、あるある...！

ちょっとのすれ違いと、タイミングが悪いだけで物事が上手くまわらないこと、あるある...！！

誰かに頼りたい、相談したいのに、一人で抱え込んでしまうこと、あるある！！！

あ～～～！めちゃくちゃあるある！！！そしてこういう人いる！！！そんな連続。

身近にあるこの感じ！！共感できることが多すぎて、全力でうなずいていました（もちろん心の中で！笑）。

舞台なのに「他人事」って思えないくらいに引き込まれました。

私自身もshowroomとか、ツイキャスとかをよく見ているので、少しドキッとした場面も...！

誰にでもあり得ると思えるストーリーだからこその説得力と、心に響いてくるものがありました。

いつもキラキラ笑顔が素敵な若松さんのさえちゃんがどんどん辛そうな表情に変わっていくところでは一緒につらくなって...演技力に圧倒されました。

ノムラ（あの頃のさえ）と、現在の野村さえ、二人（一人？）がぶつかる場面。本気で感情をぶつけ合う叫びがとても苦しくて、目を背けてしまう場面もありました。

でも過去のさえちゃんがいるってことは、仕事を休んでしまったあとのさえでも、心は夢を完全にあきらめていないってことかな、と終わった後になってふと。

日常での出来事と舞台上の出来事の違いは、自分以外の人も含めて抱えているものや人間関係、発言の裏にある思いなど、描かれているもの全てが観客にはみえるという点にあると思います（もちろん他にもたくさん）。

それをどう受け取るかは観客側にゆだねられていることなので、多くの情報を得られてしまう観客側としてはもどかしかったり、なんとかしたいと思ったり、辛さが見えているからこその感情移入ができたりするのが舞台の面白いところだとも思えました。

コメディ要素とキュンキュンするシーンも！

披露宴会場で働くメンバーのあの間の感じがなんとも言えない絶妙さで！ツボでした！笑

ヲサダさん演じる亀田の存在感！あ～おじさん～～！笑 いい感じに空気をかき回していました！笑

みんなからのあしらい方が笑 たまらなかったです！！

若松さん演じるさえと、財前さん演じるなおや、二人のシーンはもうキュンキュン！

すれちがいもあったけど、やっぱりお互い息ぴったり！以心伝心！阿吽の呼吸！

ルンバシーンとかもう可愛すぎて反則でしたね！！

あと、忘れてはいけない、あの二人の存在も笑

最後にはしっかりと全ての伏線を回収していく脚本構成にも拍手です✨

仕事も、夢も、大好きな人も全部諦めちゃいけない！！って確信できました。

大変だったり、辛かったりして、逃げたくなっちゃうこともあるけど、どれも自分にとって大事なもので。それぞれがあるから影響し合って支え合って充実した時間になっていくんだなって。そう思うことができました。

さいご、みんなの笑顔が見られて本当によかったです！キラキラな未来がみえました！

美しい舞台転換と音響

特殊な舞台と客席の形。

始まるまでは「ワンシチュエーションなのかな？」と思っていました。

私の中で、大きく舞台転換をするときのイメージは、

"場面A → 暗転 → 転換（音楽が流れる） → 明転 → 場面B"

のような感じでした。

しかし、舞台の転換を観て感動。

この舞台、二方向に客席がある舞台の作りなのに、暗転なしで。

4つのパーテーションを出演者たちがステージ上をまわりながら移動させている間に、「さえの部屋」から、「休憩室」へ、そして「披露宴会場の裏側」、また「さえの部屋」へ。

舞台転換の美しさにこんなに感動するとは思ってもいませんでした。

アイデアと息の合った移動転換にもあっと驚かされ、楽しませてもらいました！

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